【はじめに―「必ずお迎えが来る」という事実】
人は死を恐れる。普段ほとんどの人は死を気にせず生きているが、いざ自分が死ぬとなると、その恐怖におののくものだ。
江戸時代の文人で狂歌師だった大田南畝の辞世の歌に
「今までは 人のことだと 思ふたに 俺が死ぬとは こいつはたまらん」
というのがある。
これは、これまでに何度も見聞きした他人の死と、自分の死ではまったく話が違うこと、自分の死がいかに大変なものかを良く言い表している。
そういう死を眼前に控えた人にとって、「必ずお迎えが来る」という事実は、大きな希望になると思う。また、「死後も自分は存続し、死後世界で生き続ける」という事実は、さらなる希望を与えるだろう。
こういった事実は何故か世間一般には否定されていて、真面目にそういうことを言う人はおかしな人という烙印を押されてしまう。
科学万能主義がその背景にあるのだが、物理学を学んだ者として言えることは、科学は未完成で、まだまだ発展途上にあるということ。わかっていないことの方が圧倒的に多いのである。人は未知なることに対してもっと謙虚になるべきだと思う。
話を戻す。
私は子供のころ、肉体的にはまったく元気だったときに、何度か死の絶望を味わったことがある。自分もいずれは死ぬんだと思うと、真っ暗な穴の中へ落ちて行くことがあった。行きつく先は、希望の2文字が消える暗黒の世界だった。
この体験があったことから、生きている間に何とか死の恐れを解消したいと思うようになった。その後、人生の紆余曲折はあったが、35歳でロバート・モンローの本に出会い、体外離脱を体験した。
さらにモンローの開発したヘミシンクという音響技術を体験することで死後世界を何度も訪れ、死の恐れを解消することができた。
本書では私が体験を通して知った死後の真実についてお話しし、死の恐れの軽減に少しでも役立てばと思う。
なお、私はモンロー研究所のレジデンシャル・トレーナーとして、日本でモンロー研究所の公式ヘミシンク・セミナーを開催している。詳しくは(株)アクアヴィジョン・アカデミーのウェブサイトをご覧いただければ幸いである。
坂本政道